日本で唯一の絞り染め絣

備後節織はおそらく日本で唯一であろう広幅の絞り染め絣を作っています。
着尺(幅40cm前後)の絞り染めはまだ各産地で作られているようですが、使い勝手の良い100cm幅で量産できるのはとても貴重。
そんな備後産地でしか作ることのできない絣をご紹介します。

 

絞り染めの歴史


日本での絞り染めの歴史はとても古く、大陸間で交流が行われ始めた6,7世紀頃にはインドから染色技術が伝わり日本各地で行われていたと言います。

 

絞り染はわが国でも6・7世紀頃には既に行われていた染織の代表的なもので、現代のわれわれの生活を美しく彩っています。 その技術は、糸で布地を強く括ることにより、「粒」や「しわ」を作る防染という簡単な原理によるものであり、昔から世界各地でも様々な絞り染めが行われていました。 現在でも日本の他、インド、アフリカにみられ、また中央アジアやペルーの遺跡からも絞り染が出土しています。このことはその技法が極めて簡単なものであるため自然発生的に各地で行われたものと考えられます。そしてわが国に伝えられて以来めざましい発達を遂げ、日本を代表する伝統染織となり現在も広く愛好されています。

出典元: 京都絞り工芸館

 

ということはなんと! すでに1500年に渡ってこの染色方法が行われているということになります。
なんとも凄い歴史ですね。

 

絞り染めの種類

 

これだけ長い歴史があるということは、当然技術の積み重ねがあり数多くの種類が存在します。
代表的なのは振袖などに使われる「鹿の子絞り」、折りたたんだ布を板に挟んで染める「板〆め絞り」、桶を使って染めない部分を防染して柄を作る「桶絞り」などなど。
挙げたら無数にあるほど、その技術は進化しています。

 

産地によっても柄の特徴があり京都は鹿の子絞り、有松絞り(名古屋)は藍染を使った絞りが主流だったようです。
とは言っても、この京都と有松が二大産地とされ他の産地ではなかなか商業としては成立までは至らなかったとされています。

 

備後節織の絞り染め

 

かつては木綿の一大産地だった広島県東部でも、絣が中心でしたが少なからず絞り染めの生産は行われていました。
それは織機が広幅に変わってからも受け継がれ現在でも生産されています。

 

 

この2種類は「斑絣」。今でも職人が手絞りで染色をしています。
備後節織特有のネップ感(生地の節)は残しながらも、さらっとした風合いも合わせ持っています。
生地は若干薄手なので、直接肌に触れるシャツ等へのお仕立てがオススメ!
クッションカバーにされるお客様も多いです。

 

この2色の他にスポット的にヨコ糸を変えてバリエーションを増やす場合もあります。

 

 

 

 

タテ糸はどれも藍染ですが、ヨコ糸を変えただけで雰囲気が大きく変えられるのも先染めの特徴だと思います。

 

ここでしか買えない絞り染めの絣。
10cmから購入可能なので、小物作りから洋服、インテリアまで幅広く使えますよ♪