生地幅について知っておこう!
生地を購入する決め手として、生地幅のことを考慮される方は多いのではないでしょうか。
それぞれ作る目的により生地幅は裁断のしやすさ等に影響をおよぼすこともあるかと思います。
弊社でもそうですが、手芸屋さんなどでよく販売されている生地にはすべて「規格」があり、予めこの生地は何cm幅で生産するか決められています。
生地幅とは何か?
1.生地幅と有効幅
文字通り生地の横幅のことです。
片方の耳(生地の端)から反対サイドの耳部分までの長さを生地幅と呼びます。
通常は生地幅分すべてが使えるのですが、生地によっては有効幅と言って両耳の内側にミシンで穴が開けられておりその幅分が使用できるといった規格もあります。
2.生地の幅は大きく分けて3種類
市場によく流通している生地で代表的なのは、
- シングル幅(約90cm)
- 普通幅(約110cm)
- ダブル幅(約140cm)
があります。手芸屋さん等で一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
3.日本独自の生地幅もある
日本には着物の文化があります。
着物を仕立てる際は35cm前後の小幅生地で仕立てるのが一般的です。
この幅の生地は「着尺」と呼ばれ、大人ひとり分の着物を仕立てるのに必要な布地となります。
着尺は海外にはほぼ存在しない、日本独自の規格です。
ちなみに弊社で販売している生地の幅は90cmから125cmとシングル〜ダブル幅がほとんどで、松阪木綿と伊勢木綿が40cm幅、35cm幅と小幅の生地となっています。
生機(きばた)と整理加工
織布が終わった状態の生地のことを「生機(きばた)」と呼ぶのですが、弊社オンラインショップでの生地幅の記入はすべて生機で測った際の幅を記入しています。
上の画像では119cmというのが規格としての、生機の状態での幅。
ですが、そのまま納品となると糊(のり)がまだ付いた状態なので生地がかたく使いにくいです。
そのため専門の工場に生地を送り、ワンウォッシュ(生地を洗うこと)をかけます。
この時に綿の特性として生地に全体的に「ちぢみ」が生じます。
割合で言えばタテ方向の方がちぢむのですが、ヨコ幅も若干ちぢみます。
なので、お客様にお届けする生地は記入している生地幅より少し狭い場合があります。
一概には言えませんが最大でも2cmほどの縮みとなります。
逆に全くちぢまず、規格通りの生地幅のままという場合もあります。
とはいえ、こういった若干の”ブレ”も手仕事による伝統工芸品の良さなのかもしれません。
適切な生地幅を選んでロスをなくそう
せっかくお金を出して購入した生地はロスがないように使いたいものです。
生地を無駄なく、極力捨てることなく使い切ることは環境にも優しいと言えます。
作ろうとするアイテムのサイズをよく確認して、生地幅を選ぶことが大切です。
型紙がある場合は「取り都合」を工夫しながら、裁断することで捨てる生地を減らせます。
ネット通販で買える生地幅はどんなものがある?
当店では35〜40cmの小幅から普通幅より少し広い125cmくらいまでと、様々な生地幅をネット通販より選んでいただけます。
オススメの用途と併せてご確認ください。
100〜125cmまでの幅からお選びいただけます。
服地として織られているのでワンピースやシャツ、パンツやジャケットなどのアウターに向いています。
生地幅は40cm弱です。
元々は着物用の生地ですが、狭い幅なので小物づくりにも最適です。
刺し子をされるお客様も多くおられます。
114cm幅で普通幅より少し広めです。
涼しさが最大の特徴でシャツやブラウスから浴衣や甚平などの和装まで幅広いアイテムに向いています。
当店の取り扱いでは最も狭い35cm幅の生地です。
吸水性の良さから手ぬぐいやタオル、手づくりマスクなどにオススメです。
シングル幅の90cmの生地です。
ガーゼ織りのタオル地として織られています。
そのままタオルとしてはもちろん、衣類に仕立てればとても気持ちが良いです。
120cm幅の生地です。
業務用ではナース服や病院のシーツとしても使われています。
それだけしっかりした素材なので、パンツやジャケットにもオススメです。
種類によって114〜125cmまでの幅があります。
サラッとして通気性や吸水性に優れた生地なので、ワンピースやパジャマなどに向いています。
まとめ
- 生地幅には有効幅というものがある
- 生地幅は大きく分けてシングル幅、普通幅、ダブル幅の3種類
- 着尺と呼ばれる日本独自の生地幅がある
- 整理加工された生地は幅が縮むことがある
- 適切な生地幅を選んでロスをなくそう
- 当店で購入できるいろいろな生地幅
以上の内容で生地幅について説明させていただきました。
少しでも生地選びの参考になれば幸いです。