墨染糸の天日干し

 

 

 

備後節織は全国でも非常に珍しい墨染めの先染めを行っています。
先染めとは生地や製品の状態で染めるのではなく、糸の状態で染めを行うことを指します。
この先染めのメリットを言えば、やはり糸から染めることで繊維の中まで染料が浸透して織り上がった時に色の深みが増すことではないでしょうか。
しかも、枷(かせ)と呼ばれるぐるぐると束になった状態で染めるので余計に染料が全体に行き渡る染色方法をとっています。

 

墨染めは日本では古来から行われてきた染色方法の一つ。墨自体は平安時代にはすでに全国で生産されていたようです。
中でも奈良県を中心とする近畿地方が最も盛んだったとされています。
水墨画などの書画や芸術に使われているので、日本人にはとても馴染みの深い原料です。

 

備後節織の墨染めの染料は墨汁を元に、色を微調整して作られています。
現在2色展開(濃墨と薄墨)しているので、染める回数や染料の調整が必要になってきます。

濃墨はシックな雰囲気ですが、暗すぎずどこか温かみのある色味。そもそも天然染料で黒系統の色は珍しいのでお客様から非常に重宝されています。
節織 墨 薄地太節 墨などが濃墨に当たります。
逆に薄墨は爽やかで明るい印象の色味になります。
節織 薄墨太節 薄墨がそれに該当します。

 

体にも優しいサスティナブルな素材。墨。

いいですよ♪