100年の歴史を持つ工場での整経の工程

昔の備後絣は基本的に工程ごとの分業制で地域一帯にそれぞれの専門の会社が散らばっていました。
しかし、洋装化に伴う需要の減少でそういった1つの工程を専門に行う場所は残念ながら徐々に淘汰されていきました。

現在では1つの工場で全ての工程を一貫して行わざるを得ない状況で、本当にその労力と手間は計り知れません。

生地を作る上で最も大事な工程の1つが整経(せいけい)です。
文字通りタテ糸を整える作業なのですが、それだけでもいくつもの作業を経てやっとタテ糸が完成するんです。

それではタテ糸ができるまでを順を追って見て行きましょう!

 

まず最初に繰返しと言って車輪のような丸い機械に糸をぐるぐる巻いて、その糸でボビンを作っていきます。(下の写真がボビン)

 

そのボビンを写真のように整経機にセットしていきます。
この時に生地巾によって糸の本数を計算します。
これだけでも大変そうですよね...

 

この機会がセットした糸を自動で一か所に集めて形を整えてくれます。
ボビンの糸が無くなったら補充しなければならないので、自動だからと言って放置するわけにはいきません。

 

形を整えた糸を今度は大きいドラムに巻いていきます。
すでに織り上がりがイメージできます♪ 美しい。

 

ドラムから織機にタテ糸を移して完成です!

 

と、まあざっくりとタテ糸ができるまでをご紹介しました。

1つの工程だけでこれだけの作業量をこなす必要があります。
だから生地の出来あがりまでに最低でも3ヶ月を要するのです。

時間がかかる分、クオリティの高い生地が生み出せているとも言えます。

それではまた♪