綿(コットン)素材とは? 生地の特徴やメリット・デメリットを専門家が解説

私たちにとって最も身近な素材で、触れる機会が多いのが綿(コットン)ではないでしょうか。
「綿・コットン」と言っても、ほんとうに広く使われているのでその中身や特徴を一言で言いつくすことはできません。


この記事では創業以来30年以上に渡って「綿」の販売を行ってきた弊社が、

  • 綿素材のメリットやデメリット
  • 綿の種類やお手入れ方法
  • オススメの綿素材

まで、まるっと網羅した内容をご紹介します。 

綿素材が購入できる弊社オンラインショップはこちら

 

目次

 

 

綿(コットン)素材とは

 

 

綿(コットン)はアオイ科という植物の種子に付いている繊維のことを指します。

「絹」や「麻」などと同じく自然界に天然に存在する繊維なので「天然繊維」または「食物繊維」と呼ばれています。

綿自体の価格は比較的安く、実用的なものからファッショナブルなものまで幅広い分野で使われています。


身近なものではTシャツやパジャマ、シーツなど肌に直接ふれるアイテムに多く使われている印象です。
それだけで心地よい素材だということがよくわかります。

 

綿素材のメリットとデメリット

 

綿素材を使うメリットは本当にたくさんあります。

  • やわらかい
  • 肌触りがよい
  • 吸水性がよい
  • 環境にも優しい
  • 静電気がおきにくい
  • 耐久性がある

 

特にその吸水性はすばらしく汗をよく吸い、衛生的なので日常着や作業着などに適しています。


また、適度の弾力があり引っ張ったときの耐久性はすべての繊維の中でもかなり強いです。
乾いている時よりも濡れているときの方がさらに10〜20%強度が増す性質もあります。
洗ったときに強度が落ちることがないのは、大きなメリットです。

さらには石鹸や合成洗剤などのアルカリにも強く、洗濯にもこまりません。

 

メリットとは逆に、知っておくと損はないデメリットもあります。

  • シワになりやすい
  • 縮みやすい
  • 毛羽立ちやすい
  • 染めた綿は色落ちすることがある

 

これらは普段の洗濯のときに経験したことがある方もいるのではないでしょうか。
ですが、このデメリットは丁寧に洗濯することやお手入れすることである程度防ぐことができます
(詳しくは後述)。

 

綿の種類

綿は天然素材なので品種によって繊維の長さが異なります。
繊維の長さによって、以下の3種類に分類されます。

  • 長繊維綿
  • 中繊維綿
  • 短繊維綿

一般的に長繊維は高級で短繊維は安価なものが多いです。

 

  • 繊維の長さによる分類
  繊維の長さ
長繊維綿 28mm以上
中繊維綿 21〜28mm以上
短繊維綿 21mm以下

 

長繊維綿は西インド諸島の「海島綿」が最も高級で、それに続く「スーピマ綿」、「エジプト綿」など、白くて細長い繊維が良質だとされています。


綿花の世界三大生産地は中国、インド、アメリカです。
日本ではほとんど栽培できておらず、アメリカやオーストラリアからの輸入に頼っているのが現状です。

 

●綿の種類

種類 長繊維綿(3.5〜6cm) 中繊維綿(2.5〜3cm) 短繊維綿(2cm以下)
名称

・海島綿

・エジプト綿

・スーピマコットン

・アメリカ綿

・パキスタン綿

・中国綿

・アメリカ綿

・インド綿

特徴

・高級品

・繊維が細く長い、光沢がある

・中級品

・世界の綿花の90%以上

・低級品

・繊維は太く短い、コシがある

用途 ・ワンピース、シャツなど ・衣類、タオル、シーツなど ・布団わた、脱脂綿など

 

 


綿(コットン)とオーガニックコットンの違い

近年、ナチュラル志向で自然素材を好む方が増えたのもあり、注目を集めているのがオーガニックコットンです。
通常の綿を栽培する際にはどうしても除草剤や殺虫剤、農薬などを使わざるを得ません。
このような環境への負荷を減らすというのが、オーガニックコットンの意義のひとつです。

 

オーガニックコットンの定義は、

  • 3年間化学肥料や農薬を使っていない農地を使う
  • 栽培に化学肥料や農薬を一切使わない
  • 栽培する人たちの安全や環境も守られている

 

オーガニックコットンが通常の綿と違うのは、地球環境への負荷を減らす取り組みがなされているかどうか、ということがわかります。

このことからオーガニックコットンを選ぶ理由は、

  • 化学物質不使用で安心するから
  • 素材の質が高いと感じるから
  • 環境に配慮したいから
  • 生産者を応援したいから
  • 生産過程がわかるから

などが挙げられます。

 

通常のコットンよりも高額ですが農薬や化学物質への不安感、製品のクオリティを優先したい方にオススメです。

 

 

綿素材のお手入れ方法

天然素材の中でも「綿」はとても扱いやすい素材ですが、注意しておきたいポイントもいくつかあります。
ここでは「綿100%」の素材のお手入れ方法や洗濯の際の注意点をご紹介します。

綿以外にもポリエステルなど他の繊維が含まれている場合は、洗濯表示をご確認ください。

 

綿の洗濯方法

まず前提として繊維が伸びてしまう恐れがあるので、洗濯機でも手洗いの場合でも熱いお湯は避けて30℃くらいまでの水を使用してください。


使ったばかりのお風呂の残り湯などは極力使用しない方がよいです。
以下の注意点を守っていただくと、綿素材が長持ちしていつまでも気持ちよく使っていただけます。

洗濯ネットに入れる
基本的には弱アルカリ性洗剤でOK
だいじなものや高価なものはオシャレ着用中性洗剤を使う
脱水時間を短くする
洗濯表示を確認する

 

上手な乾かし方

綿は水に濡れると糸が膨張して、元の状態に戻ろうとする「クセ」があります。
綿がシワになりやすかったり、縮みやすいのはその「クセ」が原因です。


綿素材のアイテムを干す際には以下のことに気をつければ、シワや縮みを極力防ぐことができます。

  • 洗濯が終わったら早めに取り出す
  • タテヨコに引っ張り、形を整えて干す
  • 直射日光を避けて陰干しをする
  • 風通しの良い場所に干す
  • 長時間干しすぎない

 

また、乾燥機を使う時には洗濯表示をよく確認して使用することをオススメします。

 

染めてある綿は色落ちに注意

 

藍や草木で染められた綿は色が定着するまでに時間がかかります。
言葉を変えると色が定着するまでは、強い摩擦などによって色落ちしやすい状態が続くということです。


たとえばデニムに白い靴を組み合わせた時に、靴が少し青くなってしまった経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

 そんなときには、色落ちを最小限に抑えるために、「生地を水洗いする」のがオススメです。

水洗いをすることで、余分な色を事前に落とすことができます。

その結果、色素の濃度が薄くなり、色落ちを防ぐことができるというわけです。


また、生地に付いた糊(のり)を落とすことができ柔らかく、使いやすくもなります。
「どうしても色落ちを防ぎたい」という場合は、呉服屋か染工場で「色止め」の加工をお願いすることをオススメします。

 

染め物の洗濯は、他のものへの色移りを防ぐために単体でおこなってください。
干す時は他の綿と同様に直射日光を避けて陰干しをしてください。

 

綿素材のオススメ用途3選

シャツ・ブラウス

 

通気性・吸水性に優れている綿は汗をしっかりと吸ってくれますし、乾きも早いです。


着ていてチクチクすることがなくふんわり柔らかいので、カジュアルなシャツやブラウスなどのお仕立てをオススメします。
同じ理由でもちろん、パンツやスカートにもぴったりの素材です。

 

パジャマ

 

1日の1/3もの時間に費やす睡眠。
そんな睡眠時間はいかにリラックスできるものを着るかが重要です。


綿のパジャマは優しくふんわりと包み込んでくれるような感覚があるのでオススメします。

 

クッションカバー・まくらカバー

 

綿はかんたんに洗濯ができ、取り扱いにそれほど手間がかかりません。


クッションカバーやまくらカバーは頻繁に洗えて、清潔に使うことができるので小物としてとてもオススメできます。

 

ここでしか買えないオススメの綿素材5選

 

 

ここまで綿の特徴や種類、お手入れ方法などを述べてきました。

みなさんは綿の生地を購入するとき、どんなことを基準に選んでいますか?
手芸屋さんやネットショップにはたくさんの綿素材が存在します。
とはいえ、数ある綿素材の中からどんなものを選べばよいのかわからない方もいるかと思います。

そこで30年以上に渡り、生地商として綿を販売してきた弊社でしか買うことのできないオススメの綿素材5選をご紹介させていただきます。

初心者の方でも安心して使っていただけるような素材ですので、下記にまとめた表と併せてご覧ください。

 

  オススメ用途 生地の特徴
綿麻節織(めんあさふしおり カットソー、ブラウス 綿と麻の混紡、夏向き
太節(ふとふし) パジャマ、寝具 生地に凹凸があって肌にまとわりつかない
霜降(しもふり) クッションカバー、秋物衣類 やや厚手で柔らかい
大名縞(だいみょうしま) シックなメンズシャツ 柄がシンプルで使いやすい
節織(ふしおり) 布小物から洋服まで 基本、ちょうど良い厚み

 

 

綿麻節織生成4

綿麻節織(めんあさふしおり)

ちょうど綿と麻を50%ずつの割合で紡績した、ふんわり優しい生地です。


夏向きの素材でTシャツ(カットソー)やブラウスへの仕立てによく合います。
生地の透け感はありますが、実際服に仕立ててみると不思議と透けることはありません。

綿麻節織(めんあさふしおり)を詳しく見る

太節

太節(ふとふし)

「スラブ」と呼ばれるポコポコとした肌触りが特徴の生地です。


生地に凹凸があるので、汗をかいても肌にまとわりつくことがありません。
パジャマや寝具周りの仕立てにオススメです。本当に気持ちが良いです。

太節(ふとふし)を詳しく見る

霜降

霜降(しもふり)

タテとヨコで違う色の糸を使用していることから、見る角度によって色が違って見えます。
まるで霜降っているかのように見えることから、この名前が付けられました。


やや厚手ですが、柔らかく最高の風合いです。
洋服はもちろん、あらゆるアイテムに向いています。

霜降(しもふり)を詳しく見る

大名縞

大名縞(だいみょうしま)

ピンストライプ と呼ばれる細めの縞柄です。
柄がシンプルで使いやすく、シーンを選びません。


シックなカラーなのでカッコいいメンズシャツなどにオススメです。

大名縞(だいみょうしま)を詳しく見る

節織

節織(ふしおり)

一般的な平織生地です。
厚みもちょうどよく、肌触り・風合いも素晴らしい生地です。


最も使いやすく、初心者の方にもオススメできます。

節織(ふしおり)を詳しく見る

 


まとめ: 改めて綿は素晴らしい素材

 


改めてこの記事では綿素材について以下のことをご紹介しました。

 

  • 綿は比較的安く実用的な天然素材
  • メリットは吸水性や耐久性に優れ、環境にも優しい
  • デメリットはシワになりやすく縮みやすい
  • 綿は大きく分けて3種類ある
  • オーガニックコットンは地球に優しい綿素材
  • 綿を長持ちさせたいなら、水で洗濯して陰干しする
  • 綿のオススメ用途はシャツ、パジャマ、クッションカバー

 

綿素材は本当に万能で、様々なアイテムに広く使われていることがわかりました。

最後に、上記でご紹介した5種類の生地以外にも弊社ではたくさんの綿素材を取り揃えています。
生地の幅やカラーも豊富で10cm単位の長さから購入可能です。
いきなり生地を購入するのが不安な方は、サンプルもご用意していますのでお気軽にお試しください。

この記事が今後、あなたが綿素材と上手に付き合っていくきっかけとなれば嬉しいです。

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